不動産取得税の軽減措置とは?新築・中古・土地・マンションの条件と申請方法【2026年版】
不動産取得税の軽減措置は、一定の住宅や住宅用土地を取得したときに税負担を下げられる制度です。新築住宅、中古住宅、土地、マンションで条件や計算方法が違うため、「住宅の控除」と「土地の減額」を分けて確認することが重要です。
この記事では、2026年時点で確認した国土交通省、東京都主税局、大阪府、神奈川県などの公的資料をもとに、軽減措置の条件、控除額、申請方法、必要書類、申請を忘れた場合の対応を整理します。
先に結論
新築住宅は原則 1,200万円控除、認定長期優良住宅は 1,300万円控除、中古住宅は新築時期と耐震基準に応じた控除、住宅用土地は 45,000円または一定計算額の大きい方 を税額から差し引く仕組みがあります。ただし、床面積・居住・耐震・取得時期・申告手続きの条件確認が必要です。
1. 不動産取得税の軽減措置とは?まず全体像
不動産取得税は、土地や家屋を取得したときにかかる都道府県税です。売買だけでなく、新築、増築、贈与、交換などでも課税対象になることがあります。
軽減措置は、住宅取得の負担を抑えるために設けられている制度です。代表的には、住宅の価格から一定額を控除する制度と、住宅用土地の税額を減額する制度があります。
| 区分 | 軽減の考え方 | 主な確認ポイント |
|---|---|---|
| 新築住宅 | 住宅価格から原則1,200万円を控除 | 床面積、用途、取得日 |
| 認定長期優良住宅 | 住宅価格から1,300万円を控除 | 認定通知書、取得時期 |
| 中古住宅 | 新築時期に応じた控除 | 自己居住、床面積、耐震基準 |
| 住宅用土地 | 一定額を土地の税額から減額 | 住宅取得との時期関係、土地面積、持分 |
不動産取得税の計算では、購入価格ではなく固定資産評価基準などによる価格を使うのが基本です。
2. 軽減措置の対象になる主なケース
軽減措置の対象になるかどうかは、取得した不動産の種類と使い方で変わります。特に、住宅として使うか、自己居住用か、床面積や耐震基準を満たすかが大きな分かれ目です。
新築戸建て
床面積要件を満たす住宅なら、家屋の価格から1,200万円控除を検討します。
中古住宅
自己居住用、床面積、耐震基準、新築時期別控除額を確認します。
住宅用土地
土地取得と住宅新築・取得の時期関係により、土地税額の減額を検討します。
マンション
専有部分だけでなく、共用部分の按分面積や敷地権持分も確認します。
3. 新築住宅の軽減措置:条件と1,200万円控除
新築住宅では、一定の床面積要件を満たすと、住宅の価格から原則1,200万円が控除されます。税率が3%の場合、単純計算では最大36万円の税負担差につながる重要な制度です。
| 項目 | 確認内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 控除額 | 原則1,200万円 | 住宅の価格から控除する |
| 床面積 | 一般に50㎡以上240㎡以下など | 貸家、共同住宅、取得日で扱いが変わる場合がある |
| マンション等 | 共用部分の按分面積も含めて判定 | 登記面積だけで判断しない |
| 併用住宅 | 住宅部分で判定 | 店舗・事務所部分との区分が必要 |
2026年版では、取得日による床面積要件の整理にも注意が必要です。大阪府などの資料では、令和8年3月31日以前と令和8年4月1日以降で案内が分かれているため、取得日と所在地の都道府県案内を確認しましょう。
4. 認定長期優良住宅の1,300万円控除
認定長期優良住宅の場合、一般の新築住宅より控除額が100万円増え、住宅価格から1,300万円を控除できる特例があります。
国土交通省は、認定長期優良住宅に関する不動産取得税などの特例について、令和8年4月1日から令和13年3月31日まで5年延長と説明しています。適用には認定通知書などの確認が必要です。
長期優良住宅の軽減を使うには、単に性能が高い住宅というだけでは足りません。認定長期優良住宅として認定されていること、取得時期、提出書類を確認しましょう。
5. 中古住宅の軽減措置:耐震基準と新築時期別控除
中古住宅でも、条件を満たせば不動産取得税の軽減措置を受けられます。主な条件は、個人が自己居住用に取得すること、床面積要件を満たすこと、耐震基準を満たすことです。
| 新築時期 | 控除額の目安 |
|---|---|
| 平成9年4月1日以降 | 1,200万円 |
| 平成元年4月1日から平成9年3月31日 | 1,000万円 |
| 昭和60年7月1日から平成元年3月31日 | 450万円 |
| 昭和56年7月1日から昭和60年6月30日 | 420万円 |
| 昭和51年1月1日から昭和56年6月30日 | 350万円 |
| 昭和48年1月1日から昭和50年12月31日 | 230万円 |
| 昭和39年1月1日から昭和47年12月31日 | 150万円 |
| 昭和29年7月1日から昭和38年12月31日 | 100万円 |
昭和56年以前の住宅でも、耐震基準適合証明書などで新耐震基準への適合を確認できる場合や、取得後に耐震改修を行う場合に軽減対象となることがあります。証明書の発行時期や居住開始期限など細かい条件があるため、早めに確認しましょう。
6. 土地の軽減措置:住宅用土地の減額計算
住宅用土地の軽減措置は、家屋の価格から控除する制度とは別です。土地については、一定条件を満たすと土地の不動産取得税額から減額されます。
土地の減額額
次のいずれか大きい方を、土地の税額から差し引きます。
- 45,000円
- 土地1㎡あたりの価格 × 住宅の床面積の2倍(1戸あたり200㎡まで)× 住宅の取得持分 × 税率3%
宅地や宅地比準土地では、令和9年3月31日まで価格を1/2にした額を課税標準とする特例があります。土地だけ先に買った場合でも、一定期間内に要件を満たす住宅を新築・取得することで軽減や徴収猶予の対象になる場合があります。
| ケース | 主な確認ポイント |
|---|---|
| 土地を先に取得して新築する | 土地取得後の住宅新築期限、土地の継続所有、徴収猶予の申請 |
| 新築住宅と土地を同時取得する | 住宅が床面積要件を満たすか、土地持分が正しいか |
| 中古住宅と土地を取得する | 土地取得前後1年以内の住宅取得、住宅側の軽減要件 |
7. マンション取得時の注意点
マンションの軽減措置では、戸建てよりも床面積と土地持分の見方で迷いやすくなります。
- 床面積は専有部分だけでなく、共用部分を持分で按分した面積も含めて判定する場合がある
- 中古マンションでは、建物の新築時期に応じた控除額を確認する
- 敷地権付きマンションでは、土地部分の計算に敷地権割合を使う
- 住宅部分と店舗・事務所部分が混在する場合は、住宅部分の区分を確認する
「登記簿上の専有面積が50㎡未満だから必ず対象外」と即断するのは危険です。共用部分の按分や自治体の案内により判定が変わることがあります。
8. いくら安くなる?新築住宅・中古マンションの計算例
軽減措置の効果は、評価額と適用条件によって変わります。ここでは考え方をつかむための簡易例で確認します。
新築住宅の例
- 住宅評価額:1,800万円
- 控除額:1,200万円
- 課税標準:600万円
- 税率:3%
- 税額:18万円
控除がない場合は54万円なので、36万円の差が出る計算です。
中古マンションの例
- 建物評価額:900万円
- 新築時期別控除:450万円
- 課税標準:450万円
- 税率:3%
- 建物税額:13.5万円
土地部分は敷地権持分と住宅用土地の減額式で別に確認します。
実際の税額は評価額、持分、床面積、住宅の種類、所在地の都道府県の扱いで変わります。概算を確認したい場合は 不動産取得税計算ツール も活用してください。
9. 申請・申告の流れ
不動産取得税の軽減措置は、自動で必ず適用されるものではありません。東京都主税局は、不動産取得日から30日以内の申告を案内しており、軽減制度に該当する場合は必要書類を添付して申告する流れを示しています。
1. 条件確認
新築・中古・土地・マンションのどれに当たるか確認します。
2. 書類準備
住民票、証明書、認定通知書などをそろえます。
3. 申告書提出
所在地を管轄する都道府県税事務所へ提出します。
4. 通知確認
減額後の納税通知や還付の案内を確認します。
申告期限や提出先は都道府県によって異なります。全国一律の期限として覚えるのではなく、不動産所在地の都道府県税事務所の案内を確認してください。
10. 必要書類チェックリスト
必要書類は、取得した不動産の種類、所在地、申告内容によって変わります。以下は代表例です。
| 書類 | 使う場面 |
|---|---|
| 不動産取得税申告書 | 取得申告、減額・課税標準の特例適用申告 |
| 住民票 | 自己居住の確認など |
| 検査済証・建物引渡証明書など | 新築住宅の取得・完成確認 |
| 平面図 | 共同住宅、二世帯住宅、併用住宅などの床面積確認 |
| 長期優良住宅認定通知書 | 認定長期優良住宅の1,300万円控除 |
| 耐震基準適合証明書など | 旧耐震の中古住宅で耐震基準を確認する場合 |
東京都主税局の資料では、添付書類は写しで提出可能、登記事項証明書の添付を省略できる案内もあります。ただし、実務上の必要書類は提出先で確認してください。
11. 申請を忘れた場合の対応
軽減措置の申請を忘れた、納税通知書が届いてから軽減制度に気づいた、すでに納付してしまったというケースでも、すぐにあきらめる必要はありません。
まずは納税通知書、登記事項、売買契約書、住宅の資料を手元に用意し、不動産所在地を管轄する都道府県税事務所へ相談してください。還付や減額申請が可能なケースがあります。
ただし、期限や手続きは都道府県で異なります。インターネット上の一般論だけで判断せず、所在地の窓口で確認するのが安全です。
12. よくある質問
13. 参考資料と関連ページ
本記事は、下記の公的資料をもとに編集しています。実際の適用条件や必要書類は、必ず不動産所在地の都道府県税事務所で確認してください。
14. まとめ
不動産取得税の軽減措置は、条件を満たす住宅や住宅用土地を取得したときに、税負担を大きく下げられる制度です。新築住宅は1,200万円控除、認定長期優良住宅は1,300万円控除、中古住宅は新築時期と耐震基準に応じた控除、住宅用土地は土地税額からの減額というように、仕組みが分かれています。
押さえておきたいポイント
- 家屋の控除と土地の減額は別制度として確認する
- 新築住宅は原則1,200万円、長期優良住宅は1,300万円控除
- 中古住宅は自己居住、床面積、耐震基準、新築時期を確認する
- マンションは共用部分の按分面積や敷地権持分に注意する
- 軽減措置は自動適用と決めつけず、申告書と必要書類を確認する